論文の書き方 (講談社学術文庫 (153))



論文の書き方 (講談社学術文庫 (153))
論文の書き方 (講談社学術文庫 (153))

商品カテゴリ:一般教養,雑学,実用知識,学習
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活用の仕方に難儀するが。

 なかなか、多岐にわたる解説で欲張りな内容である。
 それゆえに、さしあって今必要と思える事柄が最初のほうは出てこないのが読者泣かせである。
 115ページあたりまでは、レビューワーにとってはどうでも良いことであった。
 116ぺージから120ページにかなり良いことが書いてあると思えた。
 ここの箇所を読んで、本書の重要なキーワードが「アウトライン」という言葉だと思ったら、その言葉が書かれているところはないか読む。それが、わかりやすい文章の構造という意味だとわかったら、「アウトラインが成長」というところは「文章の構造が資料が集まるにしたがって変化」することだと、いちいち噛み砕かねばならないが読める。
 120ページに「章・主・副・従・属・下」というような分類の出来る段落や文節の存在があることがわかり、その配置の論理的構成とはなにかという疑問が浮ぶが、そこはどうも自分で考えねばならないようだった。あとは215ページあたりのレトリックの問題としての配列あたりを参照し、付録235ページ「誤った論理」から読み進めるようにする。
 こんな感じで本書は活用すると良いと思われた。

 しかし、同著者による「論文のレトリック―わかりやすいまとめ方」のほうが、文を書くにあたって実際的、現実的であり、この本は読まなくともよいが、「論文のレトリック―わかりやすいまとめ方」はノートの要約しながら、この本の言いたいことはこういうことかなと研究するようにすすめると、この著者の凄さがわかる。
「論文の書き方」に偽りなし

 目玉は「書く」「読む」と題された6、7、10章にある。
 まず個々のトピックと分岐したトピックが導く筋道、
その筋道がアウトラインになり構成が生まれていく過程が説明されます。
 次は主張を頂点にして個々の項目から細部の理由に整理し、
それらを文に直して筋の完成度を確かめる方法が語られる。
 さらに「分析、解釈、批判」という三つの読みは、
構造的理解という新たな視野を獲得する手立てを与えてくれます。
 本書は筋道が通った論文の書き方を探す方にぴったりですが、
なにしろ30年前の著作なので、分かりにくくても我慢するほかありません。
もしも「論理的なアウトライン」自体に躓いてしまうのでしたら
Barbara Mintoの著作などにステップアップされることをおすすめします。 
この程度の本を、果たして名著といってよいのか?

本書を読んで文章力が向上するとは、とても思えない。論理的思考の重要性や文章構造の大切さをはしがきで書いておきながら、論理的文章の作り方や構造的文章の作り方についての具体的な記述に乏しい。それどころか、著者のそうした主張を自ら裏切っているのはどういうことか。

著者は、論理的思考の重要性を説きつつ、朝日新聞の『天声人語』がしばしば情緒的で論理性を欠いているかのようにいう。だが、どこがどのように非論理的なのか解説されていないため、ただの悪口に終わっている。また、例文(お手本)も含めて著者の政治的、思想的立場がしばしば顔を覗かせているが、そうした主張を是とすることにとらわれるあまり、論理や推論に無理が見られる。「第九章 小論文の書き方」にいたっては、どう読んでも考えの浅い、ステレオタイプを含んだ良くないリポートが見本として挙げられている始末である。

今は、良い文章作法の本が他にいくらでもある。たとえば木下是雄の『理科系の作文技術』か『レポートの組み立て方』。あるいは、プロセスも含めて具体的かつ実際的に書かれた小笠原喜雄『大学生のためのレポート・論文術』など。高橋昭男『仕事文をみがく』も、実務家が知っておくべき論理をわかりやすく扱っている(それこそ「天声人語」を例にして!)。構造的文章について研究したければ、一般には樺島忠夫の『文章構成法』をお薦めして叱られることはないだろう。他にも良い本はたくさんある。

カバーに「論文やレポートを書くための必読の名著」とあるが、反面教師としてならともかく、これからリポートの書き方を学ぼうという学生には、はっきりいってお薦めできない。
何故、これが名著と評価されているのかが不明である。

他のレビューではこの本は大変素晴らしい本であるとの評価がたくさんあるのですが、私はこの本を読んだことが時間の無駄であったと思いました。

ことばの定義がいまいちはっきりさせないで議論を進めている感じがあります。
これは著者がことばを定義してくれないから読み手が困る、という問題ではなく、著者の沢田氏の中で定義が明確になっていないことが原因である問題であるように思われます。
例えば、本著の副題である「レトリック」について、定義がなされていません。
レトリックとは何かが明確でなく漠然としたまま、レトリックの歴史といった発展的な話が展開されるのみで、結局最後までレトリックの定義がなされていません。
議論の対象となるものの範囲を定めるためには、その対象を定義することは不可欠であると思います。
したがって、議論の対象が定義されていない議論は無価値といってもいいのではないでしょうか。

また、論理の飛躍が大きく、読者が前提を埋めながら読む必要があることです。
例えば、p234の「(2)誤った論理」の冒頭の一句では、
「論理については多くの入門書があるので、ここでは重要な誤りの例をいくつかあげるにとどめる。」
と記載されています。
入門書が多い状況下であれば、その結果として、重要な誤りの例を挙げることとなるそうです。
「ので」によって何がつながっているのでしょうか。
このような論理の飛躍が度々生じているため、読み手がそのたびに立ち止まって間を埋めなくてはなりません。

論文の書き方を学びたいのであれば、私は清水幾多郎氏の「論文の書き方」をお薦めします。
清水氏の本は、自らの経験を基礎として体系的にまとめ上げており、また、ことばの定義もきちんとなされて議論が進められているので読者に迷わせることはありません。

この著者の沢田氏は、論文の書き方を指南するほどの知見も経験も能力もないと思います。
研究方法を学べる

文献調査をして、ノートにとって、組み立てて・・・という文系論文の準備
から執筆までを、レトリカルな視点も大いに含めて解説した書。
著者は史学をやっておられるので必然的に歴史分野に関する記述が多いけれ
ども、文系であればどの分野でも一応の参考にはなるだろう。
今、研究カードを作る人はもうあまりいなくなり、PCにノートをとる時代に

なってしまったけれども、基礎を学ぶという点では良い。
但し、構造やレトリックという一番重要な部分の記述がややわかりにくい。
更に、この本は70年代のものであるせいか、世界情勢や人権的にみて非常に
微妙な文章・例文も多く、こんな事を言っていいのだろうかと、読んでいて結
構ハラハラした。



講談社
論文のレトリック―わかりやすいまとめ方 (講談社学術文庫 (604))
論文の書き方 (岩波新書)
レポートの組み立て方 (ちくま学芸文庫)
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